カリブ・クルージングの旅 クルージングは旅の別格である。 こちらが動かなくても、船が動いてくれるのだから、世話はない。 朝食はいつ、バス発車はいつというのはないから、 ゆったり動いていて、自由である。 今まで経験したことのない味がある。 寄稿 林 正浩
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クルー ジング と 囲碁 |
今、船はキューバの沖合を通り過ぎている。天候は快晴。船は静かに波を切っている。 第14甲板の高みにあるルーム。カリブの明るい日差しが差し込み、 外のプールサイドで、2〜300人の人たちがスイミングというより、日光浴を楽しんで知る。 室内は先ほどまでトランプを楽しんでいた人たちも去り、 通り過ぎる人を除いては、碁を囲む我々三人だけである。とても静か・・ 高野さんと吉野さんが対局中である。形勢はまだこれからといったところで、 いずれに傾いているとも言えないようだ。 クルージングは良い、絶好の囲碁環境を提供してくれる。このクルージング中、 何局打ったことだろう。まあ、三人で30局程度であろうか、ああ、今、対局が終わったようだ。 結果は持碁。10時から始めて12時過ぎだから、2時間余り掛かったことになる。 ここでは普通の時間で、こせこせしないで、落ち着いて打てたようだ。 旅は終わりに近い。帰りの飛行機の中で対局しておられたが、雰囲気はまったく違っていた。
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空を ひとり 楽しむ |
海もいいが空もいい。夜になると、海は暗く沈んでしまうので、救いは夜空である。 水平線は雲がかかっていることが多かったが、もっと高みを見上げると、 (ここは第4デッキで、灰皿のあるところ)南十字星が見える。 日本では見られない大きな十字だ、一息しながら、じっくり眺めていた。 また、朝焼けやたそがれの空の色が印象的である。特に黄昏の紫色は幻想的である。 珍しく月蝕を見ることが出来た。日本語の案内があったので、 期待してデッキに出て行ったのだが、どうやら時刻を間違えたらしく、肩すかしを食った。 しかし、夕食後、デッキに出ると、月蝕の最中で、赤い月を見ることが出来た。 |
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深夜の 清掃 |
朝3時には目が覚める。時差の影響が続いているようだ。 外に出てみる。煙草の吸える第4デッキだ。人影はない。 いや遠くに(この船の全長は311bある)人影がある。一人だ。 ホースで天井から壁、床を洗っている。ディスターブ(disturb)してはいけないので、一時退散する。 第5デッキで、24時間フリーのコーヒー(常に無料のサンドウィッチやパン、果物もある)を飲んで、 再び第4デッキへ。 清掃は終了していて、ちらほら乗客の姿を見かける。まだ日の出には間がある。 裏方さんもたいへんである。 |
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昼間の 清掃 |
我々が朝食に出掛けると、室内清掃の出番である。人数もかなり居る。 班長は20才前半の若い女性だ。礼儀正しい。 すれ違うと、必ず先方から挨拶をする。愛想も良い。 あるとき、 室に帰ってみると、天井からタオルをうまく組み合わせて鳥の形をしたものが吊されていた。 なかなかの芸術作品である。初めての経験である。翌日は船の形だったが、毎日変わる。 このサービス精神には感心した。 聞けば、午前一回、午後一回計二回清掃をするという。 これら裏方さんに支えられて我々乗客の快適な生活がある。 他の旅では意識になかったが、クルージングという長逗留になると、 自然にこういう事を意識するようになるし、仲良くなる。裏方さんありがとう。 |
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目に 付かない 大部隊 |
我々のツアーの団体は関空から62人。名古屋・成田から70人余り。 併せて130人余りの大部隊である。関空からだけで添乗員は3名付いた。 他のグループも居るから、相当の日本人が居たことになる。 ところが、船内では日本人は余り目に付かない。 大半がアメリカ人で、カナダ人と続く。何しろ、3000人の乗客に、1100人の乗組員も居るが、 船の大きさが138,000トンの広さだから、さすがの大部隊自体もかすんでしまう。 |
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食事 |
朝食と昼食はバイキング。夕食はレストランでディナー。いずれも食べ放題である。 前菜だけで4種類も食べた人も居たが、そんなに自由である。 全員がよく食べる。いつもより20%は余分に食べたという人が居たが、 後から訂正が入って、30%かも知れないとのこと。太った太ったの連発だった。 目に付いたのは外国人。(船では日本人も外国人である)の体格の大きいこと。 異常に太った人。太った車椅子に乗った人たちが大勢いるのが目を惹いたが、 朝食時、その人たちがテーブルを支えにして、よたよたと歩いているのを見て、二度びっくり。 太りすぎてまともに歩けないのである。食い過ぎも不幸のもととの考えがふと頭をよぎったが、 あわてて評論家めいた思考は中止した。まあ、いろいろな人が居るものである。 日本人はスマートだった。 |
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ブルー マウンテン |
ジャマイカが世界に誇るコーヒーだが、なぜ ブルー・マウンテン? それは島だから、あっても小さい山だろうと見込んでいた。ジャマイカの山ははげ山ではない。 一面木々の緑である。 この地で滝登りを経験。私は遠慮したが、参加者は全員大満足。 いっぺんに親密さを増したようだ。その水の綺麗なこと。 水量もかなりあり、海へ力強く流れ込んでいる。 見上げれば山また山。遠くの山々は本当にブルーがかっている。 清らかな水、温暖な天候と降り注ぐ太陽光。ハワイのコナコーヒーとは異なる生育環境だ。 滝登りをしたところがオイチョリオス(八つの川)。 つまり、山脈(mountains)から流れ下る川が八つもあるというのが地名の由来らしいが、 これ流に、コーヒーを名付けると、ブルー・マウンテンズといったほうが良いのかも・・・、 とりとめのないことを考えながら、ジャマイカからケイマン諸島へ向かう。 見れば、次第に遠ざかるジャマイカの山々は本当に淡いブルーであった。 |
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灰皿と煙草 |
クルージング中は第4デッキが煙草族の溜まり場になった、ここは灰皿もしっかり置いてある。 煙草友だちも出来た。 ハイチャやジャマイカでは公共の場所の灰皿が見当たらない。 聞けば、煙草は高価で、一般庶民には手が出ないそうだ。 地元の警官に「ここはスモーキングは OK か」と聞いたら OKだが、吸う人はほとんど居ないよといわれて、キョトンとしたが、 ではどう始末したらいいのかと聞くと、 火を消してゴミ箱へ放っておけとのこと。葉巻を吸うている人は見かけなかったし、 あれはキューバ特有のものなのだろうか? |
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ケイマン 諸島 |
ケイマン諸島の内、グレートケイマン島に立ち寄る。なかなか人気のある島らしい。 この島の王様はエリザベス女王。英国の直轄地である。 かっては海賊の巣だった平坦なさしてグレートでもない島。 今はカリブ海の保養地。特にサーフィンで若者たちに人気がある島だ。 亀の飼育を見たり、石灰石の地獄の溶岩を見たが、やはり、海の青や緑。 そして透明な藍色がカリブ海に共有する魅力だった。 これに青い空と白い砂浜を加えると、想像が豊かになる。椰子の木も付け加えよう。 船に帰ってきてホッとする。ここが旅の我が家である。 メキシコのコスメル島じぇ出発。平坦な島はすぐに消え去ってしまった。 |
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終末の マヤ文明 |
メキシコ・コスメル島に到着。立派なピア(桟橋)がある。 高速艇に乗って、メキシコ本土に上陸。トウルム(TULUM)というマヤ遺跡の見学に向かう。 熱帯の密林文明のマヤ、パレンサ、コパン、ティヤル、ウシュマル等の 大遺跡群を想像していた私にとっては少しガッカリであった。 もはや古典マヤ文明の栄光は失われ、粗末な石組みの建物が狭い区画に立つのみである。 13〜15世紀の建造物らしいから、8〜9世紀の絶頂期の マヤ文明のそれと比べるのはマヤ文明にとって失礼だが、 このトウルムはマヤ文明終末を示す遺跡ではある。 石組みが粗末。巨石の使用がまったく見当たらないなど、寂しい限りである。 文明の絶頂と終焉、いろいろ考えさせられた。 救いは青と紫がかった空。白い雲。そして青と紫のカリブ海。 やはりこの旅はカリブ海クルーズである。 船の我が家に戻って、ホッと一息。 |
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下船 そして ケネディ スペース センター へ |
とうとういろんな思いを残して下船。 心残りもあったろうが、そんな感傷もいっとき、 ハイ下船の手続き、ハイ入国審査、並んで並んで、ストップストップ! もうクルージングのゆったりさは消え去って、次へ次への行進が始まった。 ハイ、ケネディ・スペースセンター行き。ハイ、並んで並んで、 トイレはあちらで、今の内。○○時にここに集合。 ああ、クルージングが懐かしい。スペースセンターでお買い物。 メイドインチャイナの多さ。チャイナは宇宙も乗っ取っている。・・・ |
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ベリー・ タイアード デズニー ランド は辞退 |
オプションで夕食とデズニーランド見学に参加。 夕食はすき焼きだったが、これは日本で食べるものというのが感想。 それと very tired! スペース・センターで女性軍も夕食が終わると、ディズニィはもういい、 早くホテルへ帰って寝たいとのこと。大半がスポイルしたらしい。 ただ、小生は一人でオーランドの街へ脱出。 |
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後日談 |
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